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会社を作らないなら1円起業できますが会社を作る場合はやっぱりお金がかかりますよ

知人を通じてある方から、一円起業について質問をされました。一円で起業する。一円で開業する。といった事について答えていく中で自分自身も志向が整理されましたので、その内容を備忘録的に残しておきます。

もし千葉市近辺の蘇我や千葉寺、おゆみ野、鎌取あたりで1円で起業したいと考えている方がいれば参考になると思いますよ。

●1円起業とは

おそらく、この質問は株式会社における最低資本金制度といったものがなくなった事をどこかで聞いたのが、この質問の発端だったと思います。

このお話自体は2003年および2006年の会社法にまでさかのぼるのですが、(会社法で考えると、ちょうど10年前ですね)この会社法によって、最低資本金制度といったものがなくなって1円から株式会社を作れるようになったのです。

その前までは株式会社といえば1,000万円の資本金が最低でも必要で(これが最低資本金です。ちなみに有限会社は300万円の資本金が必要でした。)一応「株式会社」とついていれば、とりあえずは1,000万円の元手がかかっている。つまり、ある程度は信用できると考えることができたのです。

そして、このような制限を撤廃したことによって1円から会社を作れるようになった当時は結構話題になりました。

最近では逆に会社を作るのに最低限のお金が必要であるといった発想が希薄になりつつあるので、おそらく知人を通じて質問をくださった方は、2003年以前の感覚をお持ちのベテランのビジネスパーソンだったんだと思います。

●昔と比べて今は会社の設立が簡単になった

さて、上記のように現在では最低資本金といった縛りは特にありません。そのため、会社は1円の出資金で作ることができます。

また、昔の株式会社は最低4人の役員(取締役)が必要でしたが、現在では役員が一人だけでも全く問題ありません。

つまり、社長さんが1円だけ出資して全ての株を保有し、その社長さんが唯一の取締役になるといった事も可能なのです。

この意味では会社設立のハードルは極めて低くなったということができます。

●資本金は1円でも

但し、但しです。確かに会社設立のハードルは低くなりました。しかし、会社を設立するために掛かる費用がなくなったわけではありません。

例えば、下は全てをご自身で手続きをするとした際に、会社設立にかかる費用になります。

  • 定款認証手数料  50,000円
  • 印紙代      40,000円
  • 定款謄本代     2,000円
  • 登録免許税    150,000円
  • 合計       242,000円

これは国に納めるお金になりますので、全部自分で手続きをしてもこのお金を節約することはできません。(電子定款を利用すれば印紙税40,000円がかかりませんが、それを利用するために40,000円以上かかるという仕組みになっています。)

そのため、出資金1円で会社を作ろうとしても、最初に242,001円はかかってしまうのです。(国に納める費用242,000円+出資金1円)

●個人事業なら1円、もっと言うと0円でも開業できます

このように、会社を設立するためにはどうしても25万円近くのお金がかかります。また、会社の維持費として利益が出ていなくても毎年7万円程度の税金の負担が発生します。

このようにお金がかからないといいつつも、かなりの費用負担が発生する事を最初に覚えておいてほしいと思います。

また、そもそも元手が1円だけで商売を営むというのは、少し考えにくいと思います。どんな商売でも設備投資や仕入れが発生しますので、それであれば無理に1円で起業する必要はないと考えられます。

この場合、「取引先が法人相手でないと発注できないと言っている」等の法人にしないと受注できないといった理由でもない限り基本的には個人事業主として開業すればいいと考えられます。

起業イコール法人化といったのはあくまで思い込みですから、そのような思い込みを捨てれば余計な費用も掛かりません。

個人事業主として初めて、業績が良ければいつでも法人化することは可能ですので(こういった事を法人成(ほうじんなり)といいます。)、開業届を出すだけで起業できる個人事業主がおすすめです。

また、個人事業の場合元手とかそういった事は問われませんのでそれこそ0円起業すら可能なのです。

●法人なら有限責任?

最後に一つ残念なことをお伝えします。おそらく、若い方は学校で、ベテランの方もビジネス書などで「法人は有限責任」といった事を聞いたことがあると思います。

有限責任とは、株主は出資した額以上の責任を問われない(つまり責任が有限)ということです。

例えば、社長が1,000万円を出資したのなら、その会社が1億円の負債を抱えて倒産したとしても、社長は出資した1,000万円をあきらめるだけでそれ以上の責任は追及されないということです。

しかし、現実には金融機関からお金を借りようとすれば、当然のように代表者は法人の連帯保証人になることを求められますし、場合によっては代表者個人の財産を担保にすることを求められます。

つまり、現実には法人であっても代表者(社長)は有限責任ではないのです。そのため、有限責任にできるからと法人化することを志向してもその期待は裏切られることになります。

そのため、実質的には1円起業にはそこまで意味はないと考えられます。もちろん、それでも1円で起業をしたいという相談があれば、そのプランをお聞かせください。

我々ならば手続きのみならず事業プランについてもご支援できるはずですから。

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