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非正規雇用者の賃金アップが正規雇用者の賃金アップより大きかった理由と企業経営に及ぼす影響

非正規雇用者の賃金アップが正規雇用者の賃金アップよりも大きくなったと報道されています。

連合は31日、平成29年春闘の回答3次集計をまとめ、非正規従業員の賃上げ率が正規従業員を上回ったと発表した。 非正規賃上げ率が正規を上回る 連合春闘集計 産経ニュース 2017/3/31

このニュースでは背景については特に述べていませんが、考えられる要因について少し考えてみたいと思います。

  • 非正規雇用者とは正規雇用者とは
  • と、考える前にまず非正規雇用者と正規雇用者について言葉を定義します。

    よく非正規雇用とか正社員とか使われていますけど、実は言葉としては明確には定義されていません。正社員って法律用語だと思っている人も多いと思うのですが、実はそんな用語はどこにも定義されていないのです。

    例えば、厚生労働省では

    「常用労働者」
     次の各号のいずれかに該当する労働者をいう。
    1期間を定めずに雇われている労働者
    21か月を超える期間を定めて雇われている労働者
    3日々又は1か月以内の期間を定めて雇われている労働者のうち、4月及び5月にそれぞれ18日以上雇われた労働者

    中略

    「雇用形態」
     常用労働者を「正社員・正職員」と「正社員・正職員以外」に区分している。
     「正社員・正職員」とは、事業所で正社員、正職員とする者をいい、「正社員・正職員以外」とは、正社員・正職員に該当しない者をいう。 厚生労働省HP

    などといった風に常用労働者は定義されており、正社員も一見定義っぽい記述はあるのですが厳密な意味では定義されていません。

    下の方に「正社員がいて、正社員以外は正社員に該当しない者である」と書いてありますが、じゃあ正社員ってどんな働き方なの?っていう疑問には回答がないのです。以下、該当ページをリンクしていますので確認してみてください。

    http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2015/yougo.html

    で、そのような状況では話が進められないので本稿では正規社員は一般的に使われている「無期労働契約」と置き換えて考えていきます。

  • 非正規雇用者の雇用は安定しているのか
  • さて、非正規雇用者の雇用は正規雇用者と比較して安定しているのでしょうか?

    雇用契約に期限があるというのが非正規雇用の定義になるわけですから、無期限の雇用契約に比べると安定していないと考えることができます。

    そして、安定していないため5年以上有期労働契約を更新すると、働く人がわの申し出で無期労働契約に転換をしなければなら無いといったルールが設定されているのです。

    (なお、このようなルールがあることで有期雇用契約の人を5年を超えて更新しないような『雇止め』が実際には発生しています。)

    こういった事から、『相対的に』非正規雇用者の雇用は正規雇用者と比較して安定していないということはできます。

  • 雇用が安定していないから給与が上がった?
  • 一般的には雇用が安定していないというのは望ましくない状況であるということができます。

    いつ雇止めされるかわからない状況では生活設計が成り立ちませんからね。

    でも、雇用が安定していない状況だからこそ、労働需要が増加した場合には給与が上がると考えられるのです。

    これは、良い悪いの価値判断ではなく、正規雇用者と非正規雇用者を比較して非正規雇用者は労働市場が『相対的に』機能しているため、需給の状況を反映しやすいということです。

    そして、このことが中小企業経営にどんな影響をもたらすかを考えると、労働人口の減少が続き供給は少なくなり続けるわけですから、非正規雇用での労働力調達のコストは景気が極端に悪くならない限り、上昇傾向を続けるであろうということです。

    これは、別に未来予測でもなんでもなく、単なる需給諭の話ですからそのようになる蓋然性は高いと考えられます。

    そのため、労務関係のコストが増加することを所与の条件とした企業経営を考えていく必要があるのですね。

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