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経営コンサルの価格について、あるいは変動費と固定費の本質的な違い

経営コンサルの価格体系はあってないようなものです。

有るのに無いというと禅問答のようですが、実際には提供した価値の数%がコンサルフィーとなるので提供した価値がそれぞれの案件ごとに変化する以上、価格は一概には言えないのです。

  • 価格のつけ方にはいろいろある

価格のつけ方としては、コストをベースに考える方法や(稼働時間が〇時間で単価が△円だから〇時間×△円とやる方法です)、競争相手を目安に考える方法(競争相手が10,000円だから9,000円にするといった手法)等様々な方法があります。

これらのアプローチを採る場合は、ある程度相場が決まってきます。そういったやり方をするコンサルの方の場合は、価格体系がある程度はっきりするので、価格体系があるという事ができます。

しかし、このような価格のつけ方には大きな問題があります。それは、顧客に提供した価値と無関係に価格をつけているという事。顧客にとっては100万円のコストをかけたという事実よりも、いくらの価値を提供してくれたかの方が大切であるという当たり前のことが見逃されています。

もちろん、世間の相場ですから、完全にでたらめな価格という事はあり得ないと考えられますが、本質的には供給者側の都合で価格をつけていることになるのです。

  • 実際に提供した価値

さて、その面で実際に提供した価値の数%といった価格のつけ方は合理的なような気がします。「1000万円の価値を提供したから5%の50万円を申し受けます」というのはとても合理的な感じがしますよね。

しかし、コチラにも問題があります。それは、実際に提供した価値を客観的に測定することが困難であるという事です。例えば、上の例で1000万円の価値を提供したと言われても、ほんと?と思う人が多いのです。

また、納得感という面でも問題があります。

よく言われるたとえ話で、次のようなものがあります。

大変高価な機械が壊れ、何人もの人が修理をしようとしても直せない。そこにやってきたベテランの修理工がハンマーで少し叩いたら機械は動き出した。ベテランの修理工が高額な修理代金を請求したら、「ハンマーで少し叩いただけなのに、そんな価格は出せない。」との回答が。ベテラン修理工はその言葉を聞いて「どこを叩けばいいかを知るために何年も経験を積んできたのです。」と言った。

このたとえ話は、人が労力、つまりコストに対して対価を支払う傾向を示しているものです。仮にこの修理工が(どこを叩けばいいかを一目で見ぬいたにしても)あちこち試行錯誤する(ふり)をしたらすんなりと高額な修理代金を支払われたと考えられます。

このように、高い価値を提供したとしても、それに対する納得感も価格決定の重要な要素になっています。

  • コンサルの価値その1(直接的な価値)

さて、価格体系があってないようなものであるという話をしました。しかし、価格体系がないというだけでは、値段がつけられません。もし、経営コンサル等で価格決定に悩んでいる方は参考にしてほしいのですが、経営コンサルタントの価値は労力ではなく、顧客に提供した価値です。

これは、当たり前のことなのですが、私たち経営コンサルは顧客企業の価格決定も支援するケースがあります。その時に、どのアプローチを採るのもいいのですが、顧客企業がそのお客様にどれだけの価値を製品やサービスを通じて提供するのかといった視点を持つ必要があります。

その提供する価値を前提に、顧客企業のコストや競合企業の価格帯を参考に価格をきめていく必要があるのです。

そして、私たちサービス業は全てその視点を持つ必要があります。自分たちが顧客にどれだけの価値を提供するのか、出来るのか。それを考えて価格設定をしていく必要があります。

具体的には、顧客が車輪を再発明しないですむようにした際のコスト削減効果が挙げられます。

大抵の経営課題については、先人たちの努力によって既に一般的な回答は用意されていますので、その回答にたどり着くために数百時間社長が試行錯誤するか、経営コンサルが数時間で問題と課題を整理し回答まで導くかといった面で、社長や関係者の人件費やその時間にほかのことをしていたら得られるであろう機会コストが大幅に削減できます。

また、第三者的な立場から見る事から、社内では思いもよらぬようなアイディアをもたらすことも期待できます。(どちらに軸足を置くかは経営コンサルのスタイルによりますが、我々、中小企業診断士は古今の経営理論を叩きこまれていますので、車輪の再発明を防ぐ方向に長けています。)

  • コンサルの価値その2(見逃されがちな価値)

もう一つの経営コンサルの価値は、その契約上、コストの性質が変動費になるという事です。変動費鵜の説明は、本記事最下部に当事務所が監修している用語集のリンクを張っておきますが、ざっくりというと、売上に比例して発生するというものです。

通常、従業員を雇うとなると、そう簡単には辞めさせることができないため、固定費となります。しかし、外部の経営コンサルは基本的には一定期間とか特定プロジェクトのみを依頼することになりますので、業績が悪化した場合に契約を終了することができます。

このことは非常に経営上有利です。

例えば、月40万円の報酬を支払う従業員を雇った場合、粗利率30%の小売業の場合、従来通りの利益を上げたいならば月133万円売上を増やす必要が出てきます。一人雇ったら、半永久的に133万円の売上を毎月増やさないといけないと考えると、ちょっと怖いですよね。

逆に言うと、売上が思うように増えなければその人の報酬を支払うために赤字を垂れ流し続ける事となるのです。

しかし、外部の経営コンサルはどこまで行っても雇用契約ではないので、契約上問題がなければ業績がまずくなったら依頼を止めることが可能なのです。

  • 経営におけるリスクプレミアム

リスクを取れば利回りが良くなるというのが金融市場の法則です。逆にリスクを避けるならば利回りは犠牲にしていく必要があります。これは良し悪しではなく、単にそういうものであるのでそこを議論しても仕方ありません。(低リスクで利回りの良いオイシイ案件もあり得ますがそのような案件を見つけられるかどうかは運次第です)

そして、企業の費用構造も原則として同様です。リスクを取って固定費となるような経営資源を抱えるならば、比較的低コストで経営資源を利用することができます。

従業員はおおむね外部の人材よりは時間当たりのコストは安くなりますし、外注に出すのではなく、自前の機械で作ったほうが安く作ることができます。(その代わり、従業員さんや機械がしっかりと働くことができるだけの仕事を獲得する必要があります。)

逆に、リスクを避けて、基本的に外注等を活用するスタイルならば利幅は薄いにしても比較的安全に企業経営を行うことができます。仕事が獲得できなければ、外注しなければコストが発生しないのでその面で危険は少ないのです。

これらの選択には優劣はありません。

  • 外部の経営コンサルはコスパがいい

とはいえ、外部の経営コンサルは非常にコスパが良い存在です。というのは、ほぼ確実に経営課題を短い経路で解決する手助けになりますし、いざとなったら契約を更新しないといった事ができますから。

なお、本記事については、ポジショントークの色合いが割と出ています。もしよろしければ、リンク先を確認していただければ、ポジショントークの意味が分かりますのでご参照くださいませ。

変動費とは

 

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