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今年の帰省で話し合うただ一つのこと。実家の事業について話し合うことの大切さ

いよいよ本年も終わりに近づいてきました。色々あった本年ですが、いかがお過ごしでしょうか。年末に実家に帰省する方も多いでしょう。年末に故郷に戻って近況を報告しあう。そんなひと時は楽しいものです。

実家を離れて都会でどこかへお勤めになっている方も多いと思いますが、経済産業省によると、2014年7月時点でわが国には382.0万者の事業者が存在しているため、実家が何らかの事業を営んでいる方も多いと思います。

そんな、年末の帰省の際、ぜひお話をしていただきたいことがあります。それは、実家で営んでいる事業を今後どうするかということ。

自分は、実家に帰るつもりがないから関係ないと考える方も多いと思いますが、そういった人も一緒になって考えていただきたいものです。

■後継者がいないのです
少し旧聞に属しますが

日本経済の活力を高めるうえで欠かせないのが、雇用の7割を支える中小企業の成長だ。ところが後継者不足が深刻で、廃業に追い込まれる例も少なくない。円滑な事業承継に向け、総合的な対策を講じるときにきている。

2025年には6割以上の中小企業で経営者が70歳を超え、このうち現時点で後継者が決まっていない企業は127万社あると経済産業省は試算している。

休業・廃業や解散をする企業の5割は経常損益が黒字だ。経産省によれば、廃業の増加によって25年までの累計で、約650万人の雇用と約22兆円の国内総生産(GDP)が失われる可能性がある。
放置できない中小企業の後継者不足 2017/10/30 日本経済新聞

といった記事があります。記事によると、多くの企業には後継者が決まっておらず、このまま放置するとそのような企業は廃業に至ってしまうとのことです。

とはいえ、本稿では、「これは問題ですから実家に戻って事業を継ぎましょう」などと言うことはしません。事業承継の対象となっている企業の後継者候補の方は、ちょうどお勤めの組織では管理職になる年代だと考えられますし、生活の基盤も実家以外の場所で築かれていると考えられるからです。

また、後継者が後継者として事業を引き継ぐとしても「事業を継ぎます」と考えるだけではうまくいきません。平成26年度版中小企業白書によると、後継者の育成機関で3年未満と回答した企業は、中規模企業で8.6%という結果が出ています。という事は逆に、91.4%の企業は3年以上後継者を育成してから事業承継を行っているのです。

■第三者に継いでいでもらうという選択肢もある
と、このように書くと「そんなに準備に時間をかけることもできないし、実家の事業は時期が来たら廃業するしかないか。」と考える方も多いかもしれません。しかし、近年では親族外の第三者が事業を引き継ぐといったケースが増えています。

第三者というとびっくりすると思いますが、この類型の事業承継は実はある程度一般的になっています。前述の平成26年度版中小企業白書によると、社外の第三者に事業承継を検討するとしているのが、中規模企業では38.1%、小規模事業者では45.7%にも上っているのです。

そして実際に、

2007年以降、内部昇格と外部招へいを合わせた第三者承継、さらに買収を加えた割合は、親族内承継を上回っている。
平成26年度版中小企業白書

という調査結果も出ています。そして、もちろん第三者に引き継いでもらう際はかなり綿密な準備をしていく必要がありますが決して非現実的な選択肢ではないのです。

例えば、堅調な業績を維持している事業であれば、第三者へ引き継ぐ際は適正な対価を受け取る事となります。そのため、うまく事業を引き継ぐことができれば、実家のご両親の生活は安定すると考えられます。

しかし、実際に第三者へ引き継ぐにあたっては、その対価はいくらなのかを算定する必要もありますし、金額を算定しても後継者がその対価を支払うことができない場合の対応を考える必要があります。

また逆に、業績に問題を抱えている場合、ある程度借り入れを圧縮しておかないと、後継者がその債務を連帯保証する必要が出てしまうため、円滑な事業承継の妨げとなってしまいます。

(経営者保証のガイドラインなど、経営者が会社の債務保証をしなくても済むような取組はあるのですが、適用されるのはある程度財務状況の良い企業に限られています。そのため我が国では経営者が会社の債務を連帯保証するといった慣行が残っており、有限責任は残念ながら有名無実となっています。)

このほかにも、現経営者が企業に多額のお金を貸し付けていたり、現経営者の持っている不動産が企業の事業を行うにあたって重要な場所であったりと、資産面だけでも様々な解決すべき課題が生じます。

そして、もちろん、事業の価値を損なわずに引き継ぐという最も大切な課題も解決する必要があります。

■迷っていても仕方ない
このように様々な選択肢を考えることができる時代ですが、どのような選択肢を選ぶにしても解決すべき課題は多く生じます。しかし、確実に言えることは、行動をせずに勝手に問題が解決することはないという事です。

そのため、年末で帰省をしたこの機会に、実家の事業をどうするかについて話し合ってみてはいかがでしょうか?

;中小企業診断士 岡崎よしひろ

こちらは、シェアーズカフェオンラインに寄稿した文章となります。

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