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抜本的な生産性向上のために国が企業負担削減に動き出した

高齢化の進展に伴って足元の雇用情勢は非常に改善しています。失業率が3%を下回り、完全雇用の状態であるとすら言われており、就職氷河期と呼ばれる時代を過ごした筆者からすると信じられないような思いがします。

また、高齢社会ということで、ベテラン従業員が引退する年齢を迎えつつあり、企業内部に蓄積された様々な知的資産の承継がうまくいかないといった課題も出てきており、さらに、もっと直接的な話では人が確保できなくて倒産に至るといったお話すら聞こえ始めてきています。

そのような中で、働き方改革を行い働き方を見直して労働生産性を高めようといった動きが出ています。

筆者はそのような動きに一定の効果はあると考えますが、一番肝心なことが議論されていないのではないかと感じてきました。

しかし、いよいよ抜本的に生産性向上へ対して政府が取り組みだしたように思われる報道がありました。

■労働人口の減少による影響は
労働者の不足によって生じている影響は様々なものがあります。事業を経営の視点からすると、第一に人手不足による人材確保の困難さが挙げられます。

事業の形態によっては人材の確保が生命線となる業態もあれば、何とかやりくりすれば当面はやっていけるような業態もあります。

しかし、いずれにしてもいえることは、当面の間は労働人口は増加しないため、人材の確保が抜本的に楽になることは考えにくいということです。

また、人材確保が困難になっているということは、必要な人材を確保するためには人件費を上げざるを得なくなるため、人件費の高騰を招くということも言えます。

その結果、人手がかかる業務のコストは増大するといった状況になりつつあります。

■取り組みもなされている
このような現状に対して、様々な技術を用いて生産性を高めようとする取り組みがなされています。人材の確保が困難になったり人件費が高騰するならば、人に依存する部分の業務を自動化すればいいといった発想ですね。

やや旧聞に属しますが

みずほ銀行とソフトバンクが出資するJスコア(東京・港)が25日、国内初となる人工知能(AI)を使った個人向け融資サービスを始めた。年齢や学歴などから信用力を自動で算出し、融資額や金利を個々人ごとに提示する。若年層を中心に開拓していく戦略で、消費者金融業界などにとって脅威になりそうだ。
AI融資で若者開拓 みずほ・ソフトバンクが自動評価 2017/9/25日本経済新聞

といったように、銀行は人手が必要な融資判断を自動化するといった事に取り組んでいます。(とはいえ、この種の取り組みは一昔前に新銀行東京が行っていたスコアリング・モデルの焼き直しのような気がするのでそこまで先進的な気はしませんが。)

また、

コールセンターで人工知能(AI)や音声認識技術の導入が急速に進んでいる。チャットボットの活用や、電話対応でもAIが最適な答え方を見つけ出す。各社がAI導入を急ぐ背景には、市場拡大と深刻な人手不足がある。
静寂のコールセンター AIと音声認識がまず応対 2017/11/4日本経済新聞

といったようにコールセンターも自動化しようといった取り組みが生まれています。

これらの取り組みは、うまくいけば抜本的に(労働)生産性を改善する可能性がある取り組みであるということができます。

さらに、従来は専任の担当者が処理を行っていた会計分野などもクラウド会計といった形で自動化が進んでいます。自動仕訳(会計上の処理)ができるため、非常に低額で記帳サービスを利用できるようになりつつありますので、帳簿をつける簿記といった業務自体が抜本的に省力化されつつあるのです。

このように、(労働)生産性の定義は付加価値÷(労働)投入量ですから、付加価値をそのままで労働投入量が減少すれば大幅に改善することが可能なのです。

■手続き業務は残っていた
しかし、前述の会計業務などをどれだけ省力化しても最終的な成果物を税務署や労働局に提出するといった業務は基本的に従来のままでした。

もちろん、一部は電子申請などの取り組みがなされていましたが、基本的にはそれぞれの機関へ別々に提出するといった事が必要だったのです。

しかし、そのような現状から脱却するために一括電子申請を可能にする方向で取り組んでいるという報道がありました。

政府は2020年をめどに企業による税や社会保険の手続きをオンラインで一括して済ませられるようにする。オンライン申請の普及の障害になっていた電子署名を省略し、企業名や給与額など各申請に共通する情報は一度の入力で済ませる。企業の作業時間を2割超減らし生産性を高める。規制改革推進会議が3月中に計画をまとめる。
税や年金、一括電子申請 20年メド、企業負担減 2018/1/30日本経済新聞

この報道のまま実現するかどうかはわかりませんが、国が率先して仕事を削減するという取り組みは非常に効果があると考えられます。

仕事を効率化する際の最も効果的な考え方は、その仕事自体をなくせないかを考えることですから。

;中小企業診断士 岡崎よしひろ

こちらは、シェアーズカフェオンラインに寄稿した文章となります。

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