開業にあたって、できることを広げすぎないという覚悟を持つ

今このサイトを見てくれている方は、独立開業して成功したい。自分なら成功できるはず。そういった強い思いをもってこのサイトを見てくれていると思います。

そして、これから開業という段階では、何をしていくか、誰を顧客にしていくかについて考えていく事ができる段階です。

開業してしまった後は、なかなか顧客層を一新することはむつかしいため、最初に決めた方向性から脱却しにくくなります。そのため、ビジネスを開始する段階でビジネスの方向性を考えていく必要があります。

■よくある罠

さて、これから開業を考えている方には、手を広げすぎる事があまり良い結果をもたらさないということを覚えておいてほしいと思います。

行政書士や税理士といった士業の世界では、資格をとってもなかなか経済的に立ちいかない人が、「もっと難しい資格ならば成功できるはず。」「一つだけではなく、複数の資格を取れば成功できるはず」とダブルライセンス、トリプルライセンスを狙うといった事がよく起こります。

例えば、「行政書士を取ったけど、うまくいかないので司法書士を目指す」とか「社労士だけでは中々顧客が取れないから、中小企業診断士を取る」といった感じです。

しかしこのような努力は往々にして報われません。この種の人達の問題は、持っている資格ではなく営業力や、仕事を作り出す能力だからです。

言い換えると、それらの人たちがやるべきことは、リソースを増やすことではなく、今持っているリソースを活用することです。

■リソース志向という罠

「○○があればあれができる」とか「あの資格があればもっと儲かるはず」と考えたくなる気持ちはわかります。

しかし、残念ながら開業するにあたってどうしても突破できない制約があります。

それは、あなた自身の一日の時間です。

どんなに優秀な人であっても、医者と弁護士と税理士と社長を同時並行でやっていくことはできないのです。

というか、副業で弁護士と税理士をやっているお医者さんの診察を受けたいと思う人は少ないはずですし、同じ弁護士に頼むのなら弁護士業務を専業でやっている先生にお願いしたいと思うはずです。

しかし、あなたが社長になると、このような消費者の立場ならば考えるまでもないことをやりがちです。

このリソース志向という罠にかかると、飲食業をすれば、メニューをどんどん増やしたくなりますし、士業の事務所をやればほかの資格を取得して仕事の幅を広げたくなります。

しかし、商売はちょっとかじっただけの領域で成功できるほど甘くない世界です。

あなたの隣のお店が、あなたの商売に専門学校で習ったとか言って参入して来たとしても負ける気はしませんよね?

逆に言うと、あなたも安易にいろんな分野に参入したとしてもなかなか勝ち目が薄いということなのです。

■まずは一点突破

商売を始めるにあたって、基本的なセオリーは一点突破です。

行政書士をするのならば、行政書士を。もっと言うのならば、行政書士の中でも農地関係にするのか、相続関係にするのか、企業関係にするのかといった風に絞り込む必要があります。

飲食店をやるとしても、あなたのお店の売りを一つ作ること。それが大切なのです。

そのうえで、手を広げたいと感じた時には、協力者を探すといったアプローチを検討してみてください。

■紹介しあう関係も

どのような業務であっても、あなたの今取り組んでいる専門外であれば、その業務を自分よりもずっとうまくできる人が必ずいるはずです。

その場合、その人と争わずに、その人と提携することができればお互いにお客さんを紹介しあうことができ、その結果顧客にっても有益なサービスを提供できる可能性があるのです。

また、一般的に言って同業種からの紹介はあまり期待できません。ラーメン屋さんは別のラーメン屋さんの紹介はしませんし、整骨院は別の整骨院の紹介はしません。

そのため、ほとんどうまくできないような分野の看板をむやみに掲げるようなことをすると紹介からの受注を自ら閉ざすことにつながります。

特に、士業の場合、先生自身の体は一つですから、むやみに資格を取って「税理士、社労士、中小企業診断士、行政書士、司法書士事務所」などといった事はしないほうが良いでしょう。

こうなってくると、税理士さんも社労士さんもその他の士業者も、この先生に仕事を紹介することはないでしょうし、顧客からしても「この先生に自分の悩みを託していいのか」といった風に不安感を与える結果になります。

私たちは『よろず屋』さんの横に専門店があれば、誰も『よろず屋』さんで買いたいと思わないという、消費者としての素直な気持ちを忘れるべきではないのです。

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