事業によっては従業員さんを雇う必要があり、従業員さんを雇うなら手続きが必要です

従業員さんを雇うというと、「ウチは個人事業主として始めるから…」といった風に言う方もいます。

しかし、個人事業主であっても法人であっても、開業すれば従業員さんを雇う事ができますし、国や行政としては是非あなたの事業で雇用を生み出してほしいと考えています。

■従業員さんを雇うなら助成金の活用を考えることができます

手続き的なお話の前に、国や行政があなたに雇用を生み出してほしいと考えていると書きました。

もちろん、事業規模や業態によっては無理に人を雇う義務はないのですが、人を雇う場合には助成金を出して事業をサポートしようという制度もあります。

例えば、特定求職者雇用開発助成金といった助成金があります。

この助成金は

 高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。 厚生労働省HP

といったモノで、ハローワークの紹介で

  • 高年齢者(60歳以上、65歳未満)、母子家庭の母等
  • 重度障碍者等を除く身体・知的障碍者
  • 重度障碍者等
  • を雇用すれば、要件によりますが50万円から240万円までのお金が補助されるというものです。

    ■従業員さんを雇うなら

    と、従業員さんを雇うためにはこういった助成金制度が用意されていますが、もちろん手続きも必要になります。

    個人事業主の場合、従業員を雇ったら

  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • といった書類を税務署に提出し

  • 労働保険関係成立届
  • 労働保険概算保険料申告書
  • を労基署に

  • 雇用保険適用事業所設置届
  • 雇用保険被保険者資格取得届
  • をハローワークに提出する必要が出てきます。

    なお、法人の場合は必ず、個人事業主の場合は従業員を5人以上雇う場合は社会保険の加入も必要となります。

    ■手続きをしっかりやっていることが助成金や補助金の支給要件になります

    と、これらの手続きは、助成金や補助金を受ける際の支給要件(つまりやっていないと申請できない)といったモノとなっています。

    税金や各種保険料が財源で助成金等が支払われるので当然と言えば当然ですよね。

    ■従業員を雇う損得

    さて、このような手続きを行う必要がありますが、手続き自体はそれほど複雑ではありません。

    労基署やハローワーク、税務署の窓口に行って「従業員を雇って開業したんですけど、手続きを教えてください」と言えば、親切に教えてくれます。

    ただ、従業員を雇うならばそれなりの費用が『固定的』にかかるので人を雇う事が経営に与えるインパクトについて考える必要があります。

    ■お給料以上にお金がかかる

    例えば、月給20万円(交通費なし)で人を雇おうと思った場合どの位の費用が掛かるでしょうか?社会保険に加入しているとして少し考えてみます。

    まず、お給料の20万円は支払う必要があります。(これは当然ですよね)

    そして、社会保険や雇用保険は労使折半(つまり、あなたも従業員さんの保険料を払う必要があります)なのですが、料率が意外に高く、社保と雇用保険を合わせると大体14%程度の保険料がかかります。

    これは20万円のお給料を払う人に対して大体3万円ほどの支払いになります。

    また、労災保険については会社のみの負担になります。但し労災保険は、業種によりますが料率は0.3%程度なので月600円程度です。

    という事は20万円で人を雇おうと考えると23万円ほどお金がかかるんですね。

    ※なお、労災保険に加入していないと、労災事故があった際に厳しいペナルティが課せられるので、必ず加入してください。この保険は社長さんを守るための保険だと考えてもいいくらいの制度です。(従業員さんは、その事業所が労災保険に加入していなくても保護されますが、労災保険に加入していないと、保険の給付のためにかかった費用が事業所に請求されます。)

    そのお給料を稼ぐためには

    さて、23万円ですが、例えば粗利率が30%の業種を営む場合にはいくら売り上げを上げる必要があるでしょう?

    答えは

    23万円÷30%=69万円

    の69万円になります。

    つまり、俗に「人を雇うならお給料の3倍は売り上げてもらわなければならない」という言葉が言われますが、これはほとんど正しいのです。

    ■人を雇うなら

    さて、計算してみると意外と人を雇う事に対する負担が大きな事がわかりました。

    そのため、上の例では69万円の売上増が見込めるといったラインが従業員を雇うかどうかのボーダーラインになります。

    これを超えていないのに、従業員を雇うのは採算の取れない行為です。

    人を雇うという事は責任が重い行為です。そのため、慎重に考えていく必要があるのですね。

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