開業をして、実際に商売をやっていく中で一番大切なことはなんでしょうか?
仕入先、従業員?それとも日々のやりがいでしょうか?
どれも正解ですが、『一番大切なこと』と聞かれた場合には、やはり売上でしょう。
売上はすべてを癒すといったのは、かつての最大手スーパー、ダイエーの創始者である中内氏ですが、そこまで大きな企業でなくても売上を上げることが企業では一番大切になります。
■売れなければ
どんなに高度な経営手法や管理会計の手法を用いても、売上が立たなければそんなものは何の役にも立ちません。
世界最高峰の大学を出た経営者を連れてきても、世界一生産性の向上に詳しい博士を連れてきても、売上が立たなければそんなものは何の役にも立たないのです。
もしあなたが、会社の財務部とか人事部、企画部とかで勤務していて、社内的に出世街道にのっていたとしても、独立して開業するときには、売上を作る方法を知っている人の方が数十倍有利になります。
売上を上げることができなければどんな立派な経歴であってもなかなか活かすことはできないのです。
■売れるためには
さて、いきなり脅かし過ぎた感じがありますが、商品やサービスが売れさえすれば事業としては成り立つ可能性がかなり高くなってきます。
コストカットや生産性の向上は売れた後にじっくり取り組んでも何とかなるモノですし、逆に最初からコストカットを限界まで突き詰めて何とか採算が取れるような利幅の少ない商売はあまりお勧めできません。
とはいえ「じゅあ何から始めればいいの?」といった声もきこえてきそうですので、売れるために考えていく必要がある内容を一緒に考えていきましょう。
■誰に
まずは商品なりサービスを誰に販売するかを考える必要があります。
あなたの考えている事業のお客さんは誰ですか?近所の人?それとも全国各地の人にネットでアプローチします?
また、若い人?年配の人ですか?男性ですか?女性ですか?それとも性別は関係ないですか?
特定の趣味嗜好を持った人たちですか?だとしたらどのような趣味嗜好を持っています?
こういった事を考えて行く必要があります。
そして、これは一般論ですが、この誰にといった問いは思い切って絞り込んだ方が成功の可能性が上がります。
ミンナに向けた商品は既に大手企業がその高い生産性を活かして作っている可能性が高いですし、これから開業をしようと考えている人は、そういった大手と勝負しても勝てる見込みは残念ながらほとんどありません。
そのため、ミンナに向けた商品やサービスではなく、特定の誰かに向けた商品やサービスを提供してくというのがある種のセオリーとなっています。
■何を
次にどのような商品なりサービスを提供するかを考えます。
ターゲットとしている人たちが好む商品やサービスはなんでしょうか?
この何をといった考え方にもコツがあって、あなたが『提供できる事』ではなく、『提供したい事』や『提供したら売れる』と考えられる事を中心に検討していくと良いです。
『提供したら売れる』と考えられるモノや事ならばとりあえず試してみれば良いですし、『提供したい事』ならこだわりを持った商品やサービスになる可能性が高いので競合と比較して優位に立てる可能性が高くなります。
しかし、『提供できる事』となると、基本的には売れるか売れないかは運任せになってしまいます。
■どのように
最後に考えていくのは、それらの商品やサービスをどのように提供するかです。
売り方も商売の方法の一つですし、同じような商品やサービスでも売り方を変えることによって売れ行きは増えたり減ったりします。
■何度も考えよう
このような切り口は、漠然とどんな事業を起こすかを考えるよりも、簡単に深く考えることができる切り口になります。
まずは、誰に、何を、どのようにといった切り口で、ご自身がどのような事業をやっていくかについて考えていくと良いと思います。