まずは、経営理念を固める―何のための商売なのかを考える―

商売をご自身でやる場合、一番大切なことはなんでしょうか?

売上を上げる事?儲ける事?それとも社会貢献?

どれも大切ですが『一番』と問われたら『何のために商売をやっているか』という問いかけに対する答えでしょう。

■経営理念と言います

何のために事業をするのか?どうしてこの事業を始めるのか。そういった非常に内面的な問いかけに対する答えを経営理念と言います。

そして、この経営理念がしっかりと固まっている事業はいい事業になると言われています。

例えば、

私たちの使命は、生産・販売活動を通じて社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与すること パナソニック社HPより

と掲げているのは現在のパナソニック、かつての松下電工です。

また、

社会の問題点を解決する パソナグループHPより

としているのは人材派遣のパソナです。

そして、このような経営理念がしっかりとしている事が、その事業の根幹の価値観となってくるのです。

そのため、難しい判断に迫られたときには、上のような経営理念に沿って判断を行うよりどころになりますし、組織が大きくなって来れば企業の組織文化の方向をしめしてくれるのです。

■個人事業や開業当初でも必要です

さて、このような経営理念ですが、個人事業を始める際にもしっかりと決めておくことがとても大切になります。

それはあなたの事業における『成功』を定義づけることにつながりますし(経営理念に掲げた事が達成できたらそれは成功ですよね?)、あなたの行動に一貫性が出てブレなくなります。

例えば、『今住んでいる地域に貢献する』といった経営理念を掲げているのならば、地域のためにならない事業に進出する事はなくなるでしょうし、一貫して地域のためになるといった姿勢を貫けば、地域での信頼感は大きなものになるはずです。

開業すると、「あっちの方が儲かりそうだ」といった形の隣の芝が青く見る現象が多く発生します。

しかし、隣の芝が青いのは、技術を持っている庭師がちゃんと手入れをしているからであって、簡単な気持ちで参入すると経営資源の無駄遣いで終わってしまう可能性が大いにあります。

そのような時に、経営理念がしっかりしていれば、そのような安易な意思決定をしなくて済むという訳です。

■したい事を経営理念に

このような経営理念ですが、どうしても『経営理念』などというと、ハードルが高くなりがちです。

だって、「弊社の経営理念は」なんていうのはちょっと照れますよね?

でも、そんなに構えて考えなくても大丈夫です。要するに、したい事、開業したいと思った動機を経営理念にしていけばいいんです。

したい事と、できる事とやらねばならぬことといった考え方がありますが、経営理念は『したい事』を中心に組み立てていけばいいのです。

■経営理念の例

例えば、『お客さんに美味しいおそばを食べて欲しい』といった理念でもいいですし、それを一歩進めて少し抽象化して『お客さんに食を通じて笑顔になってもらいたい』でもいいのです。

この『食を通じて』といった経営理念を掲げる場合には、食品関係の仕事は経営理念の延長として取り組む事ができますし、本業として捉えることが可能になります。

そして、本業に関係ない例えばクリーニング事業に進出しようという事に対しては一定の歯止めがかかるという訳です。

■本業の周辺領域

と、この歯止めがかかるという事は実は結構大切です。というのは、事業がうまく行って拡大していく場合、本業と何らかの形で関係性のある事業へ進む方が成功確率が高いとされているからです。

例えば、類似のモノを扱いながら別の市場を攻めるといった考え方があります。

お蕎麦屋さんなら、扱っている品物や調理のノウハウ等に関連してイタリアンとか別の分野の飲食店をするとか、持ち帰りの惣菜を始める。出前を始めるといった切り口があります。

また、同じ市場に対して別のモノを扱うといった事も考えられます。

これは、お蕎麦屋さんのお客さんにお酒を飲んでもらうとかそんなイメージです。

いずれにしても、経営理念がしっかりしていれば本業の周辺領域で勝負することが多くなるので、既存の経営資源が利用できます。

その結果、大外しが少なくなるのです。

■社外からの期待

また、経営理念がしっかりとしている事業は、一本筋が通った対応ができるので、社外からの信頼性が増します。

これは、対応に迷う際には、経営理念に立ち返って、それに沿った対応をする事で結果として一本筋が通る事から生じます。

ダメなものはダメと言うにしても、基準がはっきりしていれば、お客さんにとっては一貫した対応となるので信頼感が増してくるのです。

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