人を雇うのなら「一生懸命がんばれ」などといった精神論でなく効果の上がる仕組みを考えよう

あなたが飲食店や小売店などで開業し、人を雇ったとします。最初から人を雇うのは怖いかもしれませんが、業種によっては開業当初から人を雇わないと仕事自体が成り立たないこともあります。

そのようなときに気を付けて行かないとならないのがサービスの質を一定のレベルに保つという事です。

マーケティングの世界では顧客と直接に接する時を「真実の瞬間」と呼ぶように、非常に重視しています。

そして、顧客により満足してもらうために、サービスの質を高いレベルで保つ必要があるのです。

■従業員さんに高い質のサービスを提供してもらうために

さて、このように顧客と相対した際のサービスはとても重要なものになります。しかし、常に良いサービスを提供できるとは限りません。

ましてや人を雇って仕事をしてもらうわけですから、従業員さんのモチベーションもバラバラであると考えて良いと思います。

それでは、このような前提に立って、どうやって高いレベルのサービスを実現すると良いのでしょうか?

■サービスが悪い?

まず、「サービスを良くしてください」といった掛け声はほとんど効果が無いことを指摘しておきます。

また、サービスが悪いと苦情があった○○さんを叱責するといった行為もほとんど意味をなしません。厳しい言い方をするのならば、そのような行為はあなたがやるべき仕事をやらずに人のせいにしているだけです。

■サービスが行き届かない原因は

「だったら何をすればよいの?」といった声が聞こえてきそうです。でも、答えを考える前に、サービスが行き届いていない原因をちょっと考えてみたいと思います。

  • 教育訓練の不足
  • まずは、『教育訓練の不足』が挙げられると思います。従業員さんの中には意識の高いやる気のある方も多くいると思います。

    しかし残念ながら、多くの人は採用した段階では接客のプロではありません。そのため、適切な訓練を施す必要があります。

    どうやったら、お客さまの満足を高められるか、どうやったらより効率的・効果的に仕事をすることができるかのノウハウを伝えていく必要があるのです。

  • お店の構造が良くない
  • 例えば、教育訓練が十分に行き届いていたとしても、従業員さんがお客様に気づかないといった事も考えられます。

    その場合、どれだけ接客方法を教育訓練で一人一人が身に着けていたとしても、その成果は生かせないため、お客様に不満が出てきてしまいます。

    では、お客様に気が付かないというのはどうしてでしょう?「気を付けていないからだよ。常に緊張感を持って…」などといった事を考える方も多いと思いますが、精神論よりも、お客様に気が付くためにどんな手段があるかを考えたほうが効果的です。

    具体的には、死角を無くすように什器の置き場所を変えたり、直接的にはドアにベルとかセンサーを付けるといった手もあります。(昔の喫茶店はドアに鈴が付いていて入店すると音でわかる仕組みになっていましたよね?)

  • 忙しすぎて従業員さんがへとへとになっている
  • これも割とあるケースなのですが、人は疲労がたまっていると気が利かなくなります。このような状態を放置していたまま「ちゃんと緊張感を持って…」などと叱責すると、従業員さんに不満がたまって逆効果になります。

    また、最悪の場合、従業員さんが辞めてしまい、残った従業員さんが余計に忙しくなって…といった負のスパイラルに陥る可能性すらあります。

    このような場合、忙しい原因を取り除く必要が出てきます。

    例えば、従業員の採用活動を行い、余裕のある人員で対応する事や、ピークを分散するような施策をとって、負担感を軽減するといった事が考えられます。

    このピークを分散させるといった発想は、飲食店やサービス業では大切な発想ですので覚えておいてください。

    例えば、午後2時ごろにお客様が殺到するサービス業があったとします。その場合、予約制にしたり、ピークタイム以外の料金を若干割り引くなどして、需要を分散させるといった事を考えるのです。

    ■仕組で解決できるところは解決しよう

    さて、このようにサービスの改善の案を考えてみました。おそらくあなたのビジネスと競合する競争相手は、あの手この手でサービスの質を上げるための努力をしてきています。

    また、フランチャイズチェーンなどは驚くほど精緻なマニュアルを作っており、新しく雇った人であっても素早くそれなりの質のサービスをできる水準まで教育訓練をしてきます。

    あなたのビジネスは、このような競争相手に対抗していかなければならないのです。

    そのため、従業員さんの接客サービスの水準があまりよくないと感じたときには、従業員さんのモチベーションを高め、教育訓練を施すとともに、そもそも接客サービスの質を高める方法、仕組みを考えていく必要があるのです。

    努力することは良いことかもしれませんが、あなたが雇った人に対して、お店のオーナーであるあなたと同水準の努力を求めるのは、ハードルの高すぎる要求です。

    そのため、そこまでの努力をしなくともしっかりとしたサービスをお客様に提供できるような仕組みを作る事。これがあなたに求められる社長のお仕事なのです。

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