撤退プランも用意しておこう

突然ですが、株式や債権で資金を運用している人たちが一番大切にしている事はなんだと思いますか?

「利回り?」「どれだけ儲けるか?」といった声が聞こえてきそうですが、実は「損切り」つまり、ここまで損をしたらその損失を確定して次にいくといった事なのです。

■事業にも損きりはあります

さて、資産運用をしている人たちのお話ではなく、これから開業する人にとって身近な小売店について考えてみます。

こういった小売店などの事業にも当然損切りといった考え方があります。

というのは、せっかく仕入れた商品であっても、売れ行きがあまりよくなければ安売りでどんどん売り切ってしまうといった事が行われるのです。

例えば20万円分の商品を仕入れてきて30万円で販売しようと考えていたとします。しかし、目論見が外れて全然売れなかった。

この時、値下げしても原価である20万円で売れればプラスマイナスゼロになりますよね?でも、20万円でも売れなかったらどうでしょうか?

この場合は、値下げをして仮に10万円でも売り切るのが正解なのです。

10万円でこの商品を売り切れば、確かに損失が出ます。しかし、10万円が手元に戻ってきますので、このお金を元手に別の商品を仕入れることができるのです。

このように、新たな可能性を手に入れるためには損をしてでも撤退することが大切となる局面があるのです。

■事業よりも大切なのは

さて、事業よりも大切なのは、あなた自身です。そのため開業した事業がうまく行かなかったら辞めてしまうという選択肢は必ず持っておいてください。

収益性の極めて低い事業にとらわれてしまい、ぎりぎりの生活を維持するために365日働きづめになっている人もたくさんいます。

労基法を遵守している組織で働いている勤め人なら、少なくとも毎週休みは取れますし、病気になったら治療のために有給休暇を取得することも可能です。

しかし、事業主には有給休暇などといった考え方はありませんし、週に一回は必ず休まなければならないといった労基法の規定も適用されません。

あなたの人生を守るのはあなた自身しかいません。

『たかが起業。ダメだったら辞めればいい』

■辞め時を最初に決めておく

ただ、ダメだったら辞めればいいと言うのは簡単ですが実際には『ダメ』の判断がとても難しいものです。

そのため、事業を始める前に「3年後に○○じゃなければ事業は人に譲る」とか「この元手を使いつくしたら事業をやめる」等の引き時、損切りのラインをあらかじめ決めておくことがきわめて有効です。

少なくとも撤退ラインを決めておけば、問題点を検証することができますからね。

■ダメ絶対

さて、そうはいっても辞めるにやめられなくなるといったケースもあります。

ここで挙げる事をやってしまうと、辞めるにやめられなくなりますので絶対にしないように気を付けてください。

  • 恩人に事業資金の保証人を頼む
  • ここで保証人と書きましたが、事業の収益性が怪しくなってくると金融機関は悪名高い連帯保証を付けることを求めてきます。収益性に問題が無ければ信用保証協会という機関がそれなりの保証料を取ることでこの保証人になってくれますが

    この連帯保証ははっきり言えば『人質』を差し出すように求められているようなものです。

    保証人を引き受けてくれた恩人に迷惑はかけられないの一念で、儲かるわけではないけど続けないといけないと歯を食いしばって365日働きづめになっている社長さんは意外なほどたくさんいます。

    そのため、第三者に連帯保証を頼むのは基本的にやめておきましょう。辞めるという決断がきわめて難しくなりますから。

  • 撤退しようとすると莫大な違約金等、極めて不利な条項付の契約を結ぶ事
  • フランチャイズ契約とかで、辞めようとした時に莫大な違約金を求められるようなケースもあります。

    これから事業を始める人は撤退時のことなど、あまり考えないモノなので、契約書にこのような条項が記載されていたとしても無頓着なケースがあります。

    しかし、このような条項はあなたの選択を縛るものになりますので、契約を結ぶ前によく確認をしていく必要があります。

    契約書をよく読まずにフランチャイズ契約を結ぶといった事は決してしないでくださいね。

    ■撤退プランを立てておくのは前向きな事です

    「最初から失敗した時の事を考えるなんて」という人もいますが、撤退プランを考えるのは非常に前向きな行為です。

    あなたがどうしても開業・起業する事業で成功したいというのではなく、あなたの人生としてトータルで成功したいと考えているのならば特にそうです。

    撤退プランはそこまで厳密でなくても良いので、自分の開業のプランの余白にしっかりと記載しておくと、良いでしょう。

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