いくらの売上で収支がトントンになるかは簡単に予測出来ます

管理会計というなんだか恐ろしげな考え方をご存知でしょうか?もしあなたが工場とかで経理系の仕事をしていたら聞いたこともあれば、実際に活用したこともあるかもしれません。

しかし、一般の方は「会計だけでもなんとなく嫌なのに、管理会計なんて…」といった反応をされると思います。

でも、なんとなく嫌だと思われていても廃れないのは、管理会計の考え方が会社を経営していく中でとても役に立つからなのです。

そのため、アレルギーを起こさずに本記事にお付き合いいただければと思います。

■先に結論を

と、ここから先は結構分かりにくい説明が続きますので、ひとまず結論をお話しておきます。

それは、

固定的に係る費用(家賃や人件費、もちろんあなたの生活費も)をあなたの事業の利益率(粗利率)で割ってもらえれば、損益分岐点が出ますよというお話です。

例えば、80万円の固定費が発生するお店を開業するときに、あなたの事業の利益率が20%であったら

80万円÷20%=400万円

で400万円の売上を上げないと収支がトントンにならないという事です。

■いくら売ったら儲かるの?

さて、結論だけではなく、考え方も知りたいという方に今回ご紹介する考え方は、管理会計のキモとなる考え方です。

と、ここで質問しますがこれから開業されるあなたは、自分が開業しようと思っている事業が、いくらの売上を上げれば収支がトントンになるかを把握していますか?

答えは「当然Yesですよね?」と言いたいところですが、多分Noだと思います。というか、既に事業をやっている方でも意外なほど、この収支がトントンになる売上高がいくらなのかを把握している人は少ないのです。

こんな風に言うと、「月に100万円売り上げる予定だから儲かるはずだよね?」といった声をきいたりしますが、そう言われても何とも言えません。

月に10万円の売上でも利益が出る商売がある一方、月1000万円売り上げても赤字になる商売があるのです。

■そもそもどうして損が出るの?

さて、儲けについて考えるまでに、そもそも商売で損をするという状態はどういったときに発生するのでしょうか?

「それは売り上げが足りない時だよ」と言う方が多いと思いますが、どうして売り上げが足りないと損失が出るのでしょう?

だって、売上は少しでも出れば、多少なりとも粗利が出るはずですよね?また、売れれば売れるほど梱包材等の消耗品や調理に水道光熱費が必要だとしても、これらの費用は売上高程には大きくはなりません。

そのため、売ったら損するといった事は基本的にはあり得ないのです。

■固定的に発生する費用がくせ者です

さて、では売上を上げても損をすることはないという事ですが、それではどうして損失が出るのでしょう?

この答えは「売上を上げようが上げまいが固定的に発生する費用があるから」という事です。

例えば、月100万円の家賃を支払うのなら、その家賃は売り上げが1億円あっても、0円でも発生します。

また、人件費も売り上げが少ないからと言って出さないわけにはいかない費用です。

こういった固定的に係る費用があるため、売上が少ないと損失が出るのです。

■利益とは

まず、売上高が増えれば増えるほど発生する費用があります。これは売上原価であったり、梱包資材や水道光熱費などの費用です。

売れれば売れるほど、商品の仕入費用は大きくなりますし、梱包資材や調理等に使う水道光熱費もたくさん必要になるのは直感的に理解できると思います。

こういったモノを変動費と言います。売上とともに変動する費用といった意味合いです。

また、売上が増えても減っても変わらずに発生する費用があります。家賃や人件費は売り上げが無くても払わないといけませんよね?

こういった費用を固定費と言います。

そして、この売上高と固定費、変動費の関係性を図で示したのが以下のモノになります。

損益分岐点
bep

この図は、売上高が増えれば増えるほど、変動費は増えますが、固定費はそのままであることを示しています。

また、変動費+固定費の総費用を、『損益分岐点』と書かれているポイントで売上高が上回るといった関係性も示しています。

このように、利益とは

利益=売上高-固定費-変動費

で計算できるのです。

■これを応用すると

さて、この関係性を応用するといくら売り上げれば収支がトントンになるかが計算できます。

例えば、

固定的に100万円の費用が掛かるお店で、売上高の70%が売上原価や梱包資材等の消耗品等の変動費になるとします。

この場合は、売上高の30%が固定費の回収に貢献するため、

貢献利益率が30%

となり

100万円÷30%=333.33万円

と計算して333.33万円の売上で収支がトントンになることが分かります。

■貢献利益率は

と、なんだか変動費とかの考え方が専門的で難しそうですが、お店をやる方は粗利率を貢献利益率と読み替えてもそれほど問題は生じません。

しかし、例えばネットショップでリスティング広告を出稿していて、売上高を上げるためには広告費も比例的に係るような商売をしている場合は、その広告費と売上原価を差し引いて貢献利益率を求める必要があります。

■どれくらいの売上で収支がトントンになるか

と、このような利益率で固定費額を割るといった方法で、いくらの売上で収支がトントンになるかを計算することができます。

慣れるまでは分かりにくい考え方かもしれませんが、ぜひあなたの事業の損益分岐点のラインはどこになるかを計算してみてください。

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