個人が開業するときに必要な印鑑は最低限一つあれば対応可能です

個人が開業する際には印鑑を用意すると思います。せっかく開業するのだからといって色々な印鑑や道具をそろえたくなる気持ちもわかりますが、立派な道具を揃える事と事業の成功には直接的な関係はありません。

とくに、印鑑を作るという事は、本質的には印影を買うという事ですから、長持ちさえする素材ならば、どんな素材を使っても特に違いはないでしょう。(人前で押印するのなら小道具として立派なものを使うという考え方もありですが…)

■最低限必要な印鑑は実印と銀行印です

ところで、素材を気にしないにしても印鑑を用意すると物理的に保管する場所を確保しないといけませんし、どのような素材の印鑑を作るにしても、実印、角印、銀行印の三種を用意するとなるとそれなりの費用が掛かります。

そこで、事業を行うに当たって最低限必要な印鑑の種類を考えていきたいと思います。といっても、難しく考える必要は無く、必要な印鑑は『実印』と『銀行印』なんです。

『実印』は印鑑登録をした印鑑の事で、重要な契約(お金を借りたりする際)に用いる印鑑です。

このような大切な印鑑ですので、実印として作られている印鑑には上下を示す印が付いていないのです。これは、実印を押すときには「もう一度よく確認してから押してほしい」というハンコ職人の思いがこもっていると言われています。

『銀行印』はこの実印に対して、銀行と取引をするときに用いる印鑑です。通帳を作ったり、そこから預金を引き出したりする際に使う印鑑で、実印よりももっと使用する機会が多い印鑑になります。

この銀行印は、実印と異なり、特に行政機関等に登録する必要は無く、金融機関に届け出ることで銀行印となります。

『角印』や『認印』、『ゴム印』はあればとても便利ですが、無ければなくても特に個人事業を営む際に問題は発生しません。

■という事は

ここまでの内容で勘の良い方は気が付いたかもしれませんが、『実印』と『銀行印』は印鑑の役割についている名前であって、そういった名前の印鑑自体が存在するわけではないのです。

『実印』にしか使えない印鑑とか『銀行印』にしか使えない印鑑というものは存在しないという訳ですね。

このことから、個人事業を始めるにあたって、最低限の印鑑の種類が判ります。

それは、『実印』『銀行印』であり、それらを兼ねる印鑑を一本作っておけばそれで大丈夫という事です。

つまり実印として使える印鑑を作っておいてそれを銀行印としても使うというのが一番最小限の印鑑構成になります。

■もっとも

もっとも、そのような実印と銀行印の兼用は一般的にはお勧めされていません。盗難のリスクや紛失の際の手続きの面倒さがその理由です。

実印と銀行印を一度に盗難されたり紛失してしまった場合、まずは実印を紛失した場合の処理として、実印の廃印手続きを速やかにお近くの市町村役場(区役所)で行います。

そのうえで金融機関へ届け出て、銀行印の効果も止める必要が出てきます。(なお、盗難が疑われるときには、警察に届け出て盗難届出証明書をもらっておくと万全です。)

また、印鑑カードを紛失したり盗難に遭ったりした場合にも同様の手続きをする必要があります。

つまり、どちらか片方の対応ではダメで、実印と銀行印両方を無くしてしまった場合の対応を取る必要が出てくるのです。

このようなリスクを避けるために、実印と印鑑カード(印鑑証明)を一緒に保管しておいてはダメです。ましてや、預金通帳と一緒に保管するなんてことは止めてくださいね。

■印鑑をあまり使わないなら

とはいえ、リスクを避けることができれば印鑑を一つでまとめるのは便利な考え方です。業種によっては実印はほとんど使わないでしょう。

また、銀行印もそれほど使わないといった業種も存在しています。

その場合、実印と銀行印をまとめて一本にしておき、また、印鑑カードも合わせて銀行の貸金庫にしまっておくというのも考え方です。

銀行印は銀行との取引の場合だけにしか使いませんので、あまり不便にはならないのに、セキュリティーは万全になるといった意外な方法です。

■どのような考え方をとるにしても

さて、このような印鑑ですが、どのような考え方をするにしても少なくとも一本は用意しなければならないものになります。

また、実務的にはやはり『実印』『銀行印』『角印(認印)』を用意した方が便利ですし、住所などを記した『ゴム印』もあった方が良いでしょう。

いずれの印鑑を用意するにしても、卸売価格で購入できるようなサイトを活用すると良いと思います。

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