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生産性は正しいアプローチを行えば割と簡単に向上させられますが、生産性革命が達成できるかは不明です(寄稿)

生産性
生産性革命。生産性という言葉が意識高い系の大人心を刺激するように、革命という言葉は学生時代に置いてきた心を刺激します。

その生産性と革命といった言葉が結びついた「生産性革命を実現する」といった力づよい言葉が時の大臣から発せられました。

報道では
甘利明経済再生担当相は1日夜、都内で講演し、企業による設備や人材への投資拡大を促し、「生産性革命」を実現すると語った。労働力人口の減少といった問題に直面する中、1人当たりの生産性を向上させることが急務とし、「イノベーションが絶え間なく起こる環境を整備することが重要」と強調した。2015年9月1日ロイター
 とされています。
  • 生産性とは
さて、生産性革命といったなんだかすごそうな言葉について見ていく前に、生産性という言葉についてちょっと見てみましょう。

この生産性という言葉は弊サイトでは
生産性とは資源の投入量と産出量の比率の事を指し示す言葉です。英語ではproductivityと表記されます。http://keieimanga.net/archives/8350573.html まんがで気軽に経営用語
といった形で紹介しています。このように、生産性とは、投入量と産出量の比率の事ですので、少ない投入量で多くの産出量を生み出せるような状態を生産性が高いというのですね。
  • 生産性は高い方が良い
さて、一般的な文脈では生産性を高めることは望ましいと語られます。そして、今回の生産性革命といった発言には、生産性を革命的に高めることによって労働力不足に対応しようといった趣旨の内容が含まれていると考えられます。

確かに、今まで3人がかりでやっていた仕事を2人でできれば(つまり生産性が高まれば)労働力が不足しても乗り切れそうですよね。

そして、生産性を高める方法には答えが存在します。今回は誰でもできるけど劇的に生産性を高める方法を通じて、生産性という考え方の意味について、もう少し深く考えていきます。
  • 生産性を高める方法教えます
今回引用した記事では『1人当たりの生産性を向上させることが急務』と言っていますので、いわゆる労働生産性の向上を狙っていると考えられます。

そして、この労働生産性を高めることは割と簡単です。

「え、大臣がわざわざ生産性革命をと言っているのに簡単にできるの?」といった声が聞こえてきそうですが、もうしばらくお付き合いいただければと思います。

ここで、一度生産性の定義に戻ります。生産性とは『資源の投入量と産出量の比率の事を指し示す言葉』でしたよね。そして、労働生産性と特に断って言う際には、労働資源の投入量と産出量の比を示す言葉です。

ここまでで勘のいい方はピンときたかもしれませんが、労働生産性を高めるためには、同じ成果を得るために労働力の投入量を少なくするか、同じ労働力の投入量でより多くの成果を得る必要があります。

この労働生産性を高めるためには、働く人の能力を高める事や、業務プロセスを改善することによって、労働力の投入量と産出量の比を改善する必要があるのですね。

例えば、産出量を一定と考えた場合には、従来の二倍の集中力を持って仕事にあたれば、投入する労働時間を削減することができるので、労働生産性は向上しますし、業務プロセスから余計な無駄を省いても、投入する労働時間を削減することができます。
  • 当たり前ですよね?
と、ここまでは一般的な発想なのですが、もっと抜本的に生産性を改善する方法もあります。

例えば、工場を自動化し、少人数で同じモノを生産できるようにしたらどうでしょうか?労働生産性は向上しますよね?

また、建築現場でスコップ片手に作業をしていたのを、大きな重機を導入したら労働生産性は向上しますよね?

このように、必要な設備投資などを実施し、適切な資本を投入していけば労働生産性は向上するのです。(一人あたりの有形固定資産の水準を資本装備率と呼びます。)
  • 革命と言っているけど
さて、これらの事を元に、甘利大臣の言葉を読み解いてみます。

「企業による設備や人材への投資拡大を促し」と言っていますので、「しっかり必要な設備投資を実施して資本装備率を改善してね」と言っています。

また、「人材への投資拡大」と言うのは、「従業員への教育訓練を実施して生産性の改善を図ってください」といった趣旨の言葉です。

つまり、必要な当たり前のことをしっかりとやって、生産性を向上させてくださいといったメッセージなのです。間違っても、休まずに二倍働きなさいといったブラック企業顔負けの精神論ではないのですね。

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