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ワタミの窮状は価格政策の迷走が原因との説から考える、どうして企業は値上げしたがるのか(寄稿)

最近個人的にあまり行かなくなったお店として、ワタミとかマクドナルドがあります。別に、色んな報道に影響を受けたわけではなく、なんとなく足が遠のいた形です。

そうはいっても、十年以上前にワタミ株を株主優待狙いで持っていたりしたので、別にさけていたわけではないのですが。

と、筆者の足が遠のいたのはなんとなくだったのですが、雑誌記事にワタミの窮状が取り上げられています。

雑誌記事ですが
ワタミは今、事業売却の話が出てくるほど、窮状に瀕している。2014年度は128億円の最終損失を計上し、2期連続の赤字となった。2015年9月7日 東洋経済オンライン
と報道されており、ちょっと心配な局面になってきましたね。
  • 値上げしたくなります
とはいえ、ワタミ社がどうして窮状に陥ったかについては、それこそ沢山の人が分析し記述しているのでこの記事ではその事には触れません。既存の分析以上の事はちょっと難しいですし、何を書いたとしても、おそらく有効な提言はできないと思われますので、みんながモヤモヤしてしまいますからね。

今回は、ワタミの価格戦略についてちょっと考えてみたいと思います。今回の題材は、
2014年4月には主力業態の「和民」で商品単価を15%値上げした。その一方、鮮魚を取り入れるなど、品質を向上させることで客数増を狙った。しかし、2014年度の既存店客数は、前期比7%減となった。2015年9月7日 東洋経済オンライン
といった内容を元に、大きくなった企業が、より付加価値路線を志向し、値上げするといった一連の流れを経営用語的に解説していきたいと思います。
  • まずは低コストで(安いとは言っていませんが)
企業が大きくなる際のモデルケースがあります。小売業の例ですが、革新的小売業が徹底したローコストオペレーションで業績を上げていきます。

ワタミが当初からローコストオペレーションであったかどうかはちょっと分からないですが(調べればわかる事ですが、ワタミの記事ではないので今回は調べません)、少なくとも値段の割に良いものを食べられたお店であったようには記憶しています。

いわゆる昔の赤ちょうちん的な『居酒屋』ではなく、ファミレスに近い雰囲気。そして、学生さんでも、たまにはのみに行けるような価格設定だった風に記憶しています。

このように、大きくなるお店の中には、ローコストオペレーションを徹底し、低コストで顧客が感じる価値を高くするように志向していくケースが多いのです。
  • 競合が現れます
と、このような新業態を開発すると、しばらくは競争相手がいないところで成長を謳歌することができます。しかし、大きくなることを志向しているような企業が狙っている市場ですから、当然市場規模は大きいものとなります。

そして、儲かって、市場規模も大きいとなれば競合がどんどん参入してきます。(市場規模が小さい場合、ニッチャー(参考:競争地位別戦略)として美味しい市場を独占することも可能です)

そのような場合、競合と差別化するために、アップスケール化と言って接客内容やお店の雰囲気、商品の品質を向上させることを目指し始めます。

「同じようなコンセプトの競合が現れたのならば、それらの競合に負けないようなお店を作ればいい」といった発想ですね。但し、このような発想に立つときには、コストアップが伴います。

今までよりも接客を丁寧にするのならば、教育訓練も必要でしょうし、一定時間当たりに一人の店員さんが接客できる人数も減るので人を増やす必要があります。(ここで、人件費をケチって精神論で運営しようとすると、様々な面で問題が発生し、重大なレピュテーションリスクが生じます。)

そのため、ちょっとずつではありますが、高価格路線に舵を切ることになるのです。
  • 歴史は繰り返す
このように、低価格路線で消費者の支持を集めるような業態の場合、どこかのタイミングで高付加価値といった言葉を使いだし、その後、価格も上がっていくといった流れをたどると経営学的には言われています。(結構思い浮かぶお店がありますよね?)但し、このように高価格路線にシフトするような運営は決して悪いわけではありません。

でも、そのような企業ばっかりだったら、世の中は高級店ばかりになってしまいますよね?

しかし、それは杞憂です。従来のお店が高価格を志向しだすと、市場に空白が生まれます。それは、ローコストの領域です。そして、このような美味しい市場が空白になるのであれば、低価格領域にローコストオペレーションを武器にした革新的な企業が再び参入してきます。(経験則です)

すると、上で説明したような事がまた最初に戻って始まるのです。(再び全盛期のワタミ的業態のお店が生まれて繁栄を謳歌しだすのです。)

このように歴史は繰り返すのですね。(このような理論を小売の輪理論と言います。)


なお、本記事には特定の企業を応援する意図も、批判する意図もございません。

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