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トヨタの空飛ぶ車はイノベーションのジレンマに陥らないための未来の技術なのか(寄稿)

空飛ぶ車
空飛ぶ車。未来がやってきたようでワクワクしますよね。報道ではトヨタが
 トヨタ自動車の米子会社が「空飛ぶ自動車」のための特許を出願したことがわかり、現地のメディアなどで話題になっている。「未来のモビリティ(移動)社会をリードする」ことを企業ビジョンに掲げるトヨタだけに、実用化するのかどうか注目が集まっている。2015年9月16日 産経新聞
といった風に、「空飛ぶ自動車」のための特許を出願したとされています。車が空を飛ぶと確かにワクワクしますが、ちょっとした事故が大変な大惨事を招いたりしそうなので、少なくても自宅の前では飛んでほしくないと思います。

さて、今回は技術革新が非連続的であるといった事をこのニュースを題材に見ていきたいと思います。
  • 車のご先祖様
さて、車の進化形について考える前に車のご先祖様についてちょっと考えてみたいと思います。例えば、車のご先祖様が馬車や大八車(人間が曳く車の事です)だったとします。(正確なお話ではなくあくまでイメージとして書いています。)

これらの乗り物をひたすら改良していけば車にたどり着くでしょうかといった事を今回は考えたいのです。
  • 技術開発は淡々とは進まない
例えば、大八車が発明されたばかりの事を考えてみます。大八車が発明されたばかりの段階で、色んな人が改良をしようします。しかし、新しい技術に対する技術開発は、最初のうちは投入する資源の量の割には成果が少ないと言われています。

但し、この技術開発はある程度進んでくると、一気に性能の伸びが加速してきます。そして、技術が成熟してくると、性能の伸びは再び緩やかになります。

この事を図にすると、ちょうど下のようにS字を描くことからS字カーブなどと呼ばれています。そのままですね。(まあ、言うほどS字じゃない気がしますが…)
S字カーブ
  • 本題
さて、話が変わりますが、大八車をひたすら改良して言ったら馬車になり、その後自動車になるでしょうか?

経営学的にはそのようには考えません。例えば、大八車は人間が曳く車なので動力を人間以外のモノにするといった革新が必要となります。

この革新は大八車をどれだけ改良しても生まれてはこないと位置づけるのです。

但し、人が曳くために洗練されていた大八車に比較して、馬が曳く馬車はそれほど洗練されていません。そのため、当初の性能は往々にして革新的製品の方が低かったりします。

この事を表すのが下の図です。
複数S字カーブ
革新的な新技術は往々にして、洗練された旧技術よりも性能が低かったりします。しかし、革新的な新技術ですから改良を重ねて行けば旧技術の性能を追い越す日が来ます。

人間はやはり馬のような力や持久力を持って車を曳くことはできません。そのため、十分に改良された馬車は大八車よりも性能が良くなるのです。

これと同様に、馬車よりも内燃機関を備えた自動車の方が性能が良いのは言うまでもありません。

しかし最初の自動車は蒸気自動車といって動力を得るために巨大なボイラーなどを備えていました。蒸気が発生するまで動き出しませんし、馬車のように小回りも効きませんでした。

このように、技術革新は連続的ではなく非連続に起こるというのが技術革新の非連続性という考え方です。
  • 空飛ぶ自動車は技術革新なのか
さて、このことから空飛ぶ自動車が生まれる可能性について考えてみます。

基本的には、自動車技術をひたすら改良しても、空飛ぶ自動車にはつながらないとは考えられます。おそらく、何らかの技術革新が必要なのでしょう。

このことは「トヨタは空飛ぶ自動車を作らない」といった事を意味しているわけではありません。本当に空飛ぶ自動車が作られる日が来るかもしれないのです。

但し、現在の消費者が空飛ぶ車を求めていないとなると話は別です。

上で見てきたとおり、次世代の技術革新であっても、当初は有効性が低いものとなりがちです。また、既存の顧客もそのような有効性の低いモノをあまり欲しがりません。

そのため、そういった新技術を用いた製品をコストをかけて開発しても回収できないと判断されがちなのです。端的に言うと、作っても売れないのでは?といった風に考えられるのです。(売れる売れないを事前に判断するために市場調査をしているわけですから。)

そのため、この空飛ぶ車が次世代の技術革新であったとしても、参入が遅れてしまい、次世代の大企業に取って代わられる可能性があるのです。

こういった現象をイノベーションのジレンマと言います。

但し、どのような技術が、このような世の中を変えてしまうような革新的技術であるかは誰にもわかりません。そのため、いっけんするとばかばかしい技術に投資するのも、超長期的にみると合理的であったと(後付けで)判断することができるのです。

 

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